家庭科

疑似体験と実践から、自分らしい生き方を探る

家庭科は、すべての活動の基盤である『家庭』と社会・環境とのつながりを総合的に学ぶ科目です。

現代の家庭生活とそれを取り巻く社会や環境の問題解決に目を向け、日々の生活をより良いものにするために、基本的な知識と技術の習得を目指します。自分の現在、近未来、未来を見据えて視野を広げるために、できる限り実験実習やシミュレーションを取り入れ、授業を展開しています。疑似体験実習や継続した実践から得た『根拠』に基づき、メリットとデメリットをふまえて思考することが、自分らしく生活改善し、持続可能な社会づくりに貢献する生き方に繋がることを願っています。

日常生活の中に数多ある教材を集め、読み解く

食品や衣類についている表示を画像で持ち寄り、正しく読み説きます。目的は、高校生として安全かつ栄養バランスを考えた食事を選択することや、繊維の特徴を理解し、適切な衣類の選択と管理などができること。さらには商品の製造過程など確かめ、消費者倫理に基づいた消費行動について考えます。

〔グループワーク例〕・エシカル消費

〔実習例〕・草木染の弁当包製作

現代社会を見つめ、多様性を理解し、幸福に生きる術を探る

情報化社会において健全な消費生活を送り、成人として未来を見据えて資産形成を考えることにも取り組みます。働き方や家族の形など、あらゆる面で多様化が進む中、自分の周辺だけでなく、幅広く多くの人が幸せに生活できる社会とはどのようなものかについても考えていきましょう。

〔シミュレーション例〕・雇用形態と生活時間・1か月の家計収支・ローン返済・老後の生活費

〔体験・実習例〕   ・妊婦体験・紙おむつ体験・身体部位の不自由体験・幼児のおやつつくり

〔ペアワーク例〕   ・結婚子育てシミュレーション

さまざまな学問の視点で、食生活を見つめる

家庭生活にあるさまざまな課題と社会的背景や科学技術との関係を調べることを通して、家庭生活とあらゆる学問・科目との密接な関わりを実感します。食中毒や新型コロナ感染症対策を強化し、災害時対応にもつながるパッククッキングの実習なども行います。家庭科ならではの切り口で、日々の生活に直結することを実践的に学びます。

〔グループワークと調理実習例〕・SDGsに配慮した弁当作り・パッククッキング

領域ごとに学びを振り返り、生徒同士共有することで、さらなる自主学習へとつなげる

領域ごとに掲げる学習目標に対し、どれだけ主体的に学ぶことができたか『振り返り』を重視しています。各自が気づき、考えたことは随時共有し、多様な考え方に触れることができます。調べ学習の切り口の違いやとらえ方の違いを知りお互いに刺激を受けることも、他人の実践例を参考にすることもできます。生活の仕方や生き方について、絶対的な正解などない中、多くのヒントを得ることができるはずです。

選択科目

・・・日頃、手軽に手に入れることができる市販加工食品も、昔は各家庭で手間暇かけてつくり、家庭の味を作り出してきました。前半は、味噌や甘麹など健康志向から注目を集めている発酵食品や、保存性を高める知恵である燻製を施したソーセージつくりなどに挑戦します。後半は、一例として、手打ち麺の材料となる小麦粉のあれこれや、調理科学をふまえた作り方のこつなども盛り込んだレシピ・資料を作成することから、班で力を合わせて実習を企画します。学期ごとのプレゼンテーションは相互評価し、食の歴史・文化やトレンドまでを楽しく美味しく学び合っています。